GAME OF THE LOTUS
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The Dark Age of Tonos : TRPG World Guide

遠野洲戦記

v0.5 — 2026-04-13

プレイヤー向け情報

トーノスの神話、歴史、地理、信仰、職業、魔法、怪異、人物について知ろう

創世神話「花占い」

トーノスの神話は、『遠野物語』第2話のアーキタイプ(原型)です。すべてはここからはじまりました。

はじめに女神があった。

女神は三人の娘を連れ、トーノスの地に来た。

「今宵、天より霊花(ロータス)が降る。その花を手にした者に、この地でもっとも高き山を与えよう」

その夜、霊花は長女の胸元に舞い降りた。

しかし、夜半に目を覚ました三女が、眠る姉の懐よりひそかに花を盗んだ。

朝が来た。女神は花を持つ者の手を見た。

霊花を掲げた三女が、もっとも高き山を得た。次に長女が二番目の山を、次女が三番目の山をいただいた。

しかし、女神にはもうひとりの娘があった。

四女は一日遅れてトーノスの地に着き、花占いがすでに終わったことを知った。

悲しみと怒りに駆られた四女は、大地を押し上げ、自らの手で新しい山を築いた。

こうしてトーノスは四方を山に囲まれた盆地となった。

歴史

太古——湖の時代

最終間氷期、トーノスの盆地は湖の底にあった。湖の水が川から流れ出て平地が現れた後、人々が住みはじめた。

大洪水——アゾヌム紀412年

パハヤチニカの山頂の氷河湖が決壊し、山から解き放たれた水は盆地の国を一夜にして呑み込んだ。城も、蔵も、田も、畑も、すべてが湖の底に沈んだ。アゾヌムの第14代領主ヒロナガは遠征に出ていた。

暗黒時代——アゾヌム紀412〜439年

城を預かっていたスルガ、タンバ、サマノスケの三人が政権を奪った。背後にはナンバスのトシナオ。傀儡政権に裁定能力はなく、武力だけが正義となった。水のクニに湖沼人たちが流れ込み、混沌と豊穣が共存する時代が始まった。

清心紀——アゾヌム紀439年〜

ナンバスから清心(セイシン)と呼ばれる女性がトーノスに現れ、暗黒時代を終わらせた。人々からは「ねね様」とも呼ばれ、平和のうちにトーノスを治め始めた。

地理

トーノスは四方を山に囲まれた盆地である。北にパハヤチニカ、東にロクカウシ、西にイシカムイ、南にモノヌプリが立つ。盆地の中央を猿ヶ石川が流れ、笛吹峠を越えれば海沿いの港町オーツに至る。南からは五輪峠を通じてゼンダスとつながる。

トーノスは二つの大国——北のナンバスと南のゼンダス——が接する境界に位置する。海と山を結ぶ交易の中心地であり、山からは豊富な金が産出される産金国でもある。

氷河湖の崩壊で水に沈んだトーノス。川や池や沼や淵によって平地が分断されている

トーノス四山

パハヤチニカ

もっとも高い山。三女の山

ロクカウシ

二番目。長女の山

西

イシカムイ

三番目。次女の山

モノヌプリ

四女が怒りで築いた山

十三郷

猿ヶ石川の流域に点在する十三の村。それぞれにトーテムとなる動物の氏祖・神獣を持つ。

ファズグリス=モーヴェナル。キツネのトーテムを持つマツザクの神獣。黄昏に溶ける者

ヨコダス

Yokodas横田

サケ

マツザク

Matsuzak松崎

キツネ

アオザス

Aozas青笹

シカ

ツチブク

Tsuchibuk土淵

カエル

カミゴル

Kamigol上郷

カモシカ

ミヤモル

Miyamol宮守

ミミズク

タゾベル

Tazobel達曽部

クマ

マスザル

Masuzal鱒沢

ヘビ

アヤオル

Ayaol綾織

クモ

オトモス

Otomos小友

ワシ

ツキモス

Tsukimos附馬牛

ウマ

オイデス

Oides大出

オオカミ

ツチムル

Tsuchimul土室

ムカデ

信仰

トーノスには複数の信仰が重層的に共存している。

四女神

花占いの神話に由来する四柱の女神。同じ女神でありながら、平地人・山人・湖沼人それぞれに呼び名が異なる。

長女実りの神

霊華を正当に受け取りながら、三女に盗まれた。しかし怒らず、二番目の山を受け取って黙って立った。奪われても再び実りをもたらす大地の母神。

湖沼人: アメ様平地人: アメ姫山人: ロクカウシ
次女稼ぎの神

花占いの夜、何も奪わず、何も抗議せず、三番目の山をちゃっかり手に入れた。最小の労力で最大の利を得た者。

湖沼人: ウミ様平地人: ウミ姫山人: イシカムイ
三女盗みの神

夜中に起き出して、眠る姉の懐から霊華を盗み、もっとも高い山を得た。盗むことで道を拓いた最初の存在。

湖沼人: ミオ様平地人: ミオ姫山人: パハヤチニカ
四女怒りの神

花占いに参加すらできなかった。悲しみと怒りで大地を押し上げ、自らの手で新しい山を築いた。恩恵と災厄は同じ手から来る。

湖沼人: カゲ様平地人: カゲ姫山人: モノヌプリ

トーテム信仰

十三郷それぞれに動物の氏祖がある。サケ、キツネ、シカ、カエル、カモシカ、ミミズク、クマ、ヘビ、クモ、ワシ、ウマ、オオカミ、ムカデ。神獣は真の名を持ち、生死にかかわる場面でのみ口にされる。

オシラ様

馬と娘の悲恋から生まれた信仰。家ごとに祀られる守り神であり、養蚕の神でもある。

修験

山人の信仰。山そのものが聖なるものであり、山に入ること自体が信仰の実践。パハヤチニカを霊場とする。

仏教

平地人の信仰の柱。盆地の町や村に寺院があり、葬送や供養を担う。暗黒時代には寺院もまた武装した。

神道

土地の神を祀る神社が各地にある。古いトーテム信仰が神社の形をとって残っている場合もある。

キリシタン

海の向こうからもたらされた外来の信仰。ロザリオを手にする者がごく少数ながら存在する。

三つの民

トーノスでは、三つの異なる生き方が交錯している。

平地人

Plainsfolk

盆地に戻り、田畑を耕し、町を再建した人々。かつての秩序を知っている者と、秩序なき時代しか知らない者が混在している。武装した平地人たちは、自分の土地と蓄えを自分で守っている。

平地人はまじないが暮らしに深く浸透している。かまどの火除け、安産、豊作、病除けなど、生活のあらゆる場面にまじないがある。実りの神アメ様を最も信仰し、土地の神を祀る神社と仏教寺院が信仰の柱。

山人

Mountainfolk

氷河湖の崩壊以前からこの山々に住んでいた。大洪水を山の上から見下ろし、水が引いても降りてこなかった者が多い。猟師、木こり、炭焼き、薬草採り、修験者、そして金属を掘り精製する技術者。

山そのものが聖なるものであり、女神を人の名前で呼ばない。山名がそのまま神の名である。精霊魔法に通じ、山の中で自然と向き合い続ける暮らしが精霊との感応を保つ。

湖沼人

Lakefolk — 推奨PC

土地を持たず、舟を持つ。川と沼を道として使い、水辺だけでなく山にも平地にも現れ、どこにも属さない。属さないからこそ、平地人と山人をつなぐ存在でもある。

沈んだ財宝を引き揚げる者であり、山人と平地人をとりもつ交易者でもある。復興で賑わうトーノスの噂を聞きつけ、各地から流れてきた食いつめ者たちだ。ひとつの職に留まらず、必要に応じて姿を変えて生きる。

盗みの神ミオ様と怒りの神カゲ様を最も信仰する。「欲しいものは手を伸ばして取れ、ただし夜のうちに」と湖沼人は言う。

湖沼人の職業

ひとつの職業に固定する必要はなく、「本業は泥潜りだが、冬場は茸見もやる」といった兼業が自然な設定になる。

水辺の職業

山の職業

里と信仰の職業

どこにでも現れる職業

三つの魔法

トーノスには三つの異なる魔法がある。

まじない

口伝の民間魔法

口伝で伝えられる民間の魔法。体系はなく、教典もない。主に女性が担い手だが、山人の男も山に入る際にまじないを口にする。どこにでもあり、誰でも知っている。日常の延長にある魔法。

  • 平地人:暮らしに最も深く浸透。かまどの火除け、安産、豊作、病除け
  • 山人:山の神への祈願。猟の安全、茸の毒除け、獣の魂送り
  • 湖沼人:惚れ薬の調合や呪いの類を扱う。「守り」ではなく「攻め」のまじない

魔術

体系化された学問としての魔法

特定の訓練を受けた者だけが使うことができる。記録され、分類され、学院で教えられる。もともとは権力の側にある魔法だった。

トーノスにおける拠点は、ツキモスにあるトーゼナス寺院。アゾヌムの時代には王家の保護のもとで運営されていたが、大洪水とクーデターによって後ろ盾は失われた。暗黒時代の現在、独自に武装し、閉鎖的な組織として自らの知識と身を守っている。

精霊魔法

精霊の声を聞く者だけが使える魔法

精霊に働きかけ、精霊の声を聞くことができる者だけが使える。体系的に学ぶものではなく、完全に個人の素質に依存する。訓練で身につくものではない。

  • 平地人:精霊の声を聞くことは難しい。定住し、人の社会の中で暮らす者は精霊との回路が閉じやすい
  • 山人:得意とする。山の中で自然と向き合い続ける暮らしが感応を保つ
  • 湖沼人:得意とする。人と精霊の境界をも曖昧にする暮らし
  • 長命族:最も通じている。長い時間をかけて精霊との関係を築いてきた

怪異・異形

トーノスに棲む不思議な存在たち。

主要NPC

冒険者の近くにいる人物

手配師のアッセン湖沼人/手配師

湖沼人に仕事を手配する。藻刈りや失せ物探しや怪異の征伐まで。大抵の冒険者は初心者のときにアッセンの世話になる

欲しいもの: 湖沼人の自治。仕事が回り続けること
恐れ: 傀儡政権に目をつけられること
大同犬松長命族/ひょうはくきり

笛吹峠の麓の東屋にいる語り部。数百年を生きており、トーノスの歴史を誰よりも知っている

欲しいもの: 語る相手。物語を受け取る者
恐れ: 忘れること。長命族は記憶が薄れる
倉堀のケイ湖沼人/まじない師

十三郷でもっともすぐれたまじないの使い手として有名な女性

欲しいもの: 大洪水以前の知識。失われたまじないの回復
恐れ: まじないが届かない事態。自分の力の限界
旗屋の縫湖沼人/狩人

カザイ、アゾヌム、オーツと、仕えた家が次々と滅んでしまった漂流の狩人。ナンバスに復讐を誓う

欲しいもの: ナンバスへの復讐
恐れ: 復讐が無意味だと気づくこと
程洞の隼人アゾヌム家

ヒロナガの弟。宗家回復を期してトーノスに潜伏している

欲しいもの: 宗家の復興。兄の帰還
恐れ: 正体が露見すること

大洪水とクーデターの関係者

ヒロナガアゾヌム家第14代領主

大洪水の時、大きな戦争の遠征に出ていた。水に沈んだ国に帰る場所を失い、ゼンダスに亡命している

欲しいもの: 帰還。自分の国を取り戻すこと
恐れ: 帰ってみたら、自分を覚えている者が誰もいないこと
タンバ平地人/クーデター実行者

ヒロナガの留守中に城を預かっていた三人のひとり。大洪水のどさくさに紛れて政権を奪ったが、傀儡政権の一角を担うにとどまり、裁定能力を持たない

欲しいもの: 安定。争いが終わること
恐れ: 権力の座が崩壊すること
トシナオナンバス

クーデターの黒幕。ナンバスの意向でトーノスを傀儡支配しようとした。背後にある大国の思惑を象徴する

欲しいもの: トーノスの金山の支配権
恐れ: ナンバス本国からの切り捨て
清心ナンバス出身

アゾヌム紀439年にトーノスに現れ、暗黒時代を終わらせた女性。人々からは「ねね様」とも呼ばれた。平和のうちにトーノスを治め、清心紀を開いた

欲しいもの: 平和。すべての民が共存すること
恐れ: 自分の統治もまた、いつか暴力で覆されること

冒険の手引き

冒険者たちが集まり、行き交う、トーノスの主要な場所。

ナバク

トーノスの中心にある城砦。一日市が立つ交易の場

倉堀

湖沼人の集落の中心。モノヌプリと猿ヶ石川に挟まれた淵のほとり

トーゼナス寺院

ツキモスにある魔術の寺院。暗黒時代には武装した閉鎖組織

笛吹峠

トーノスとオーツをつなぐ峠。笛吹きが旅人を導く

オーツ

笛吹峠を越えた先にある海沿いの港町。さらに広い世界へとつながる

水のクニとなったトーノス全景

水は少しずつ流れ出したが、そこは以前と同じ風景ではなかった。

猿ヶ石川を幹として無数の支流が盆地を走り、あちこちに淵と沼が残った。かつての城下町は泥の下に埋もれ、沈んだ建物の柱が水面から突き出している場所もある。霧が立ちやすく、朝と夕には盆地全体が白い靄に覆われる。

トーノスの風景は、陸でも水でもない。その中間にある。

この王も法もない水のクニに引き寄せられるように、定まった生業を持たない者たちが流れ込んできた。犯罪者、流れ者、珍しい職業の持ち主、そして冒険者——彼らが湖沼人(レイクフォーク)である。

混沌と豊穣が共存する場所——それが暗黒時代のトーノスであり、冒険の舞台である。

はじまり

トーノスという名の盆地がある。

氷河湖の崩壊によっていまも水に沈む、海と山の交易の要だ。

平地人のなかには、トーノスを「呪われた洲(しま)」と呼ぶ者もいる。

あなたはトーノスの湖沼人として、山と平地の間を行き来し、さまざまな厄介ごとに巻き込まれていきます。

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